「ありがとう」を伝えに戻ってきた生徒からの学び
先日、生徒さんの都合で日時を変更した日のこと。
いつも通り授業を終え、生徒さんはお迎えの車に乗って帰られました。
しばらくして、二階の教室に向かって軽快な足音が聞こえてきました。
「忘れ物かな?」と思い、そっとドアを開けると——。
その子は少し照れたように微笑みながら、
「今日は授業の時間を変えてくださってありがとうございました」
と、一言伝えに戻ってきたのです。
たった十数秒の出来事。
ですが、その短い時間の中に、その子が大切にしている“思いやり”や“家庭での習慣”がぎゅっと詰まっていました。
おそらく車の中でお母様に
「先生にありがとうって言った?」
と尋ねられたのでしょう。
そして、ちゃんと伝えなくてはと、わざわざ階段を上がって戻ってきたのです。
その姿を見ながら、私は胸が温かくなると同時に、
「自分は、当たり前の感謝をちゃんと伝えられているだろうか」
と振り返るきっかけにもなりました。
勉強ができるようになることや、得点を取ることは大切です。
でも、それ以上に——
人として当たり前のことをきちんとできる力、誰かを思いやる心は、どんな学力にも勝る宝物です。
こうした小さな行動ができる子は、必ず伸びます。
そして、その背景には必ず“良い家庭の空気”があります。
塾は、子どもたちの学力だけでなく、
こうした素敵な部分にも気づき、育ちを見守れる場所でありたいと改めて思いました。